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【医師監修】AGA治療での副作用は?治療薬の効果や副作用、服用中の注意点

【医師監修】AGA治療での副作用は?治療薬の効果や副作用、服用中の注意点 AGA治療の基本知識

AGA治療を考えるにあたって、インターネットで治療方法や費用などを検索される方がほとんどだと思います。その中で副作用について書かれていることも多く、副作用が心配で治療に踏み切れない方もいるのではないでしょうか。

薄毛治療を検討されている方の不安を少しでも解消できるよう、この記事ではAGA治療薬の副作用や薬ごとの効果、副作用について分かりやすく解説しています。

監修医師
山本 和幸

金沢大学医学部を卒業後、2021年にAGAメディカルクリニックに入局。
AGAメディカルクリニック千里中央院で、AGAや薄毛でお悩みの多くの患者さまを担当してきました。AGAカウンセリングから治療、内服薬の処方、継続治療を行っています。

フィナステリド(プロペシア)の効果と副作用

プロペシアは有効成分であるフィナステリドを主成分とした抜け毛を抑制するAGA治療薬で、日本で初めて販売されたAGA治療薬で、2005年に厚生労働省に承認されています。

プロペシアという名前は商品名で、成分名がフィナステリドです。フィナステリドという成分はクリニック共通の名称なので、覚えておいてください。

現在、世界60か国以上で販売されているメジャーなお薬で、AGA治療のファーストチョイスとして多くのクリニックで処方されています。

有効成分のフィナステリドが薄毛の原因であるジヒドロテストステロン(DHT)の増殖を抑制することで、抜け毛を防ぐ働きがあります。髪の毛を増やす作用よりも、抜け毛を増やさないようにする作用があると覚えておくといいでしょう。

》フィナステリドの効果・副作用に関する詳細はこちら

フィナステリドの副作用

  • 性機能低下(勃起不全・性欲減退・精子減少・射精障害)
  • 肝機能障害
  • 抑うつ
  • 倦怠感
  • むくみ

フィナステリドの主な副作用は、性欲低下や勃起不全、射精障害など性機能低下です。有効成分であるフィナステリドが男性ホルモンに影響を与えることが原因だと考えられています。

総合的な発現率は、フィナステリド1mg投与群が5.0%(7/139 例)との臨床結果が出ています。また、もっとも発現率が高い副作用は、性欲減退の1.1%でした。

副作用のうちフィナステリド 1 mg および 0.2 mg 投与 群で合わせて 2 例以上に発現した事象は,リビドー減 退(3/276 例,1.1%)および勃起機能不全(2/276 例, 0.7%)のみであった
引用:フィナステリドの薬理学的特性と臨床効果

デュタステリド(ザガーロ)の効果と副作用

ザガーロは、デュタステリドを有効成分とした抜け毛を抑制するAGA治療薬です。1997年にFDA(米国食品医薬品局)より承認、日本では2015年に厚生労働省に承認されました。

デュタステリドもフィナステリド同様に、5α-リダクターゼという酵素をブロックすることでDHTを抑制し、抜け毛を防ぎます。

この5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、フィナステリドはⅡ型だけをブロックするのに対し、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方をブロックするという違いがあります。作用の仕方でいうと、デュタステリドの方が優れていると言えるでしょう。

出典:おおこうち内科クリニック
フィナステリドとデュタステリドを24週間経口投与し、毛髪数の変化を調べた国際共同試験があります。「プロペシア 1 ㎎」と「ザガーロ 0.5 ㎎」では、ザガーロのほうがプロペシアに比べ発毛効果が1.6倍であったと報告されています。

参考:デュタステリドとフィナステリドは何が違う?効果・副作用を詳しく解説

デュタステリドの副作用

  • 性機能低下(性欲減退、勃起不全、精液量の減少、射精障害)
  • 乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳頭不快感)
  • アレルギー症状(発疹、蕁麻疹、掻痒症)
  • 頭痛
  • 抑うつ
  • 肝機能障害

デュタステリドの主な副作用は勃起不全、性欲減退、精液量の減少です。これらの症状は服用を中止してしばらくすれば元に戻ることが多いとされていますが、妊活をされるご予定がある場合は、服用前に医師に相談するようにしてください。

総合的な副作用の発現頻度は、17.1%(95/557例)という臨床結果が出ています。
デュタステリドを服用していてEDになってしまった場合は、バイアグラ等のED治療薬も併用して服用することができますので、必要に応じて医師に相談してください。

主な副作用は、勃起不全4.3%(24/557例)、リビドー減退3.9% (22/557例)、精液量減少1.3%(7/557例)であった。
引用:ザガーロカプセル

ミノキシジルの効果と副作用

ミノキシジルは元々高血圧症の治療薬として開発された薬であるため、血管を拡張し、血流を良くする作用があります。また、毛母細胞を活性化させる働きがあり、この2つの作用によって発毛を促します。

ミノキシジルには錠剤タイプの内服薬と、頭皮に直接塗るタイプの外用薬がありますが、内服薬のほうが体に直接取り込むため、高い効果に期待できるとされています。

ただ、日本皮膚科学会のAGA診療ガイドラインではミノキシジル外用薬は推奨度A(行うよう強く勧める)と高い評価を得ている一方で、ミノキシジル内服薬は推奨度D(行うべきでない)となっています。

理由としてはミノキシジル内服薬の有効性に関する臨床実験が実施されていないからです。とはいっても多くのクリニックでミノキシジル内服薬は処方されています。効果には期待できますが、副作用やリスクを伴いますので必ず医師の診察のもと服用するようにしましょう。

参考:ミノキシジルの効果・副作用|外用薬と内服薬の違いや注意点

ミノキシジルの副作用

治療法 副作用
内服薬 初期脱毛・多毛症・動悸・息切れ・頭痛・めまい・手足や顔のむくみ・全身の多毛症・肝機能障害など
外用薬(塗り薬) 初期脱毛・発疹・発赤・かゆみ・かぶれ・ふけなど

初期脱毛は、治療開始10日~4週間頃に一時的に抜け毛が増える症状をいいます。乱れたヘアサイクルを整えようとする過程で、古い毛が新しい毛に押し出されることによって毛が抜け落ちます。期間は1~2ヶ月程度続き、抜け毛の量には個人差があります。

抜け毛が多く不安になる時期ではありますが、薬が作用している証拠ですので、治療を継続しましょう。症状が2ヵ月以上続く場合は、初期脱毛ではない疾患も考えられるため、すみやかに医師に相談するようにしてください。

ミノキシジル外用薬は頭皮に直接塗布する薬であるため、重篤な症状に繋がる副作用は少ないとされています。副作用としては皮膚(頭皮)の炎症があり、湿疹や発赤、かゆみ、蕁麻疹などが起こる可能性があります。外用薬の副作用発現率は8%です。

副作用発現症例は3,072例中271例(8.82%)、378件であった。
引用:厚生労働省

AGA治療をする上で注意しておきたいポイント

AGA治療には副作用が出る可能性もあるということを認識した上で、注意しておきたいポイントがあります。いくつか大切なポイントをまとめましたので、参考にしてください。

①:副作用が出ていないか定期的に血液検査をする

肝機能障害はAGA治療薬に限ったことではなく、サプリメントも含めて薬の代謝は肝臓で行われることが多いため、肝臓に負担がかかり肝機能障害を引き起こす可能性あります。

AGA治療中は血液検査をすることが望ましい

肝機能障害は自覚症状がないケースが多いため、定期的に血液検査を受けることをおすすめします。血液検査のデータで(ALT・AST・γ-GTP)の数値が急激に増加していないかをチェックしてください。

AGAクリニックによっては血液検査が無料で行えるところや、血液検査のデータを提出しないとAGA治療薬を処方してもらえないところがありますので、クリニック選びの際は気にかけてみてください。

②:健康診断ではAGA治療薬を服用していることを伝える

フィナステリドとデュタステリドは、前立腺がんの発見に有効なPSA(血清前前立腺特異抗原)という数値を下げる働きがあります。

健康診断ではAGA治療薬を服用していることを伝える

何も伝えずに健康診断を受けてしまうと、前立腺がんの腫瘍マーカーが基準値を上回っているのに、問題なしと判断されてしまう可能性があります。そのため、健康診断を含む、病院では必ずAGA治療薬を服用していることを伝えてください。

服用中は、PSAの値を2倍にして、判断することが望ましいとされています。

副作用が気になる方には外用薬での治療がおすすめ

AGA治療薬には内服薬と外用薬がありますが、体の中に取り込む内服薬は外用薬に比べると、重篤な副作用に繋がってしまうことがあります。そのため、副作用が心配な方は外用薬での薄毛治療を検討することをおすすめします。

外用薬はミノキシジルがよく処方されていています。市販でもミノキシジル外用薬を購入することはできますが、市販のものは濃度1~5%と低め。医師の処方であれば5%以上の高濃度のものを購入できるので、より高い発毛効果に期待できます。

AGA治療クリニックによっては内服薬しか取り扱っていないところもありますので、ミノキシジル外用薬の取り扱いがあるか確認してから受診してください。

クリニックフォアDMMオンラインクリニックは濃度10%以上のミノキシジル外用薬が1ヶ月10,000円前後で購入できます。相場より安いので、参考にしてください。

AGA治療薬を個人輸入・通販サイトで購入するのは危険

AGA治療薬は個人輸入や通販サイトを通して購入することもできますが、大変危険であるためおすすめしません。厚生労働省でも医薬品の個人輸入は注意喚起されています。
参考:厚生労働省 注意喚起について

個人輸入で購入した場合、表記は全て外国語です。そのため、中身が正しい薬なのかの判断も難しいですし、全く異なる薬が送られてきたり、偽造薬だったりする可能性もあります。いくら価格が安くてもリスクが高すぎますよね。

個人輸入の薬で副作用など健康被害が出た場合、すぐに治療を受けられない可能性があります。AGA治療クリニックでの処方なら、副作用が出た際には迅速に対応してくれますし、治療継続が困難な場合は治療費を全額返金する保証制度を設けています。

また、日本には「医薬品副作用救済制度」があります。これは副作用により重篤な健康被害が生じた場合に医療費や年金などの給付を行う公的な制度です。個人輸入した医薬品は救済制度の対象とならず、医療費は全額自己負担となってしまうことを理解しておきましょう。

AGA治療クリニックの中には、海外製のフィナステリドを処方しているクリニックがありますが、これは個人輸入の海外製とは異なり、日本の第三者機関で成分検査を行い、有効成分が正しく含まれていることが確認された安全なお薬です。

個人輸入に頼らなくても、月々1,000円台でAGA治療が始められる費用の安いクリニックもありますので、費用を抑えたい方は「AGA治療の費用が安いクリニック10選|1年間・2年間の治療費で徹底比較」を参考にしてみて下さい。